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ルチメディアの活用においては、住民窓口サービスと同様に個人のプライバシーに係わる情報(例えば、個人の健康状況、過去の病歴、家庭生活の状況等)が扱われるために、個人情報の保護は極めて重要な問題である。情報の改ざんや不正利用を防止するとともに個人のプライバシーを保護するための技術的なプロテクトを開発していく必要がある。

 

(2)関連制度の課題

関連制度の課題として「医師法における遠隔医療の可否」と「遠隔医療に関する診療報酬」があげられる。

「医師法における遠隔医療の可否」とは、医師法第20条「医師は、自ら診察しないで治療をし、若しくは診断書若しくは処方せんを交付し、自ら出産に立ち会わないで出生証明書若しくは死産証書を交付し、または自ら検案をしないで検案書を交付してはならない。」によって、遠隔医療が無診察治療と解釈されるのではないかという問題である。

この問題に対して、厚生省の考え方(「保健医療福祉サービスの情報化に関する懇談会報告書」より)は、「現時点での情報通信の技術や基盤整備の状況では、初診時や症状の変化がある場合などについては、対面により診断・治療を行う必要があるが、既に診断・治療を行ってきた患者で、特に症状の急変が認められないような場合には、対面によらない診断・治療が行われているところである。したがって、情報通信システムを介しても、その時の医療水準からみて十分な診察が担保できるのならば、医師法第20条の無診察治療には当たらない。それが担保できる技術的基準について今後明らかにしていく必要がある。」であり、必ずしも遠隔医療が法的に不可能な医療行為でない。しかしながら、前提条件として「担保できる技術的基準」を満たしていることがあげられており、その基準の詳細については現在のところ明確とはなっていない。

また、「遠隔医療に関する診療報酬」は、認められていないのが現状である(厚生省が告示する「健康保険法の規定による療養に要する費用の額の算定方法」に含まれていない)。この問題に対して、厚生省の考え方(「保健医療福祉サービスの情報化に関する懇談会報告書」より)は、「ある医療技術を診療報酬上評価するかどうかについては、中央社会保健医療協議会の議論を踏まえ決定される。厚生省としては、今後遠隔医療に関する技術の進展や実施状況等に応じて、診療報酬上の評価について検討していく。」

 

 

 

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